格安戦隊・シムフリーマン

自分のSIMカードを他人のスマホに挿したらどうなる?

SIMフリー・ブルー

SIMカードの表面にはICチップが付いていて、その契約者を特定するためのID番号が記録されています。
つまり、携帯電話番号が記録されているようなものです。

では、自分の携帯電話に入っているSIMカードを抜き出して、それを他人の携帯電話に挿入したらどうなるでしょうか?

今回はこのシムフリー・ブルーがわかりやすい例で順番に解説します。

AさんのSIMカードをBさんの携帯電話に入れると?

例えば、Aさんの機種はiPhone 4s、番号は090-1111-1111だとします。
Bさんの機種はiPhone 6s、番号は090-2222-2222だとします。
携帯電話番号

もし、AさんのSIMカードをBさんのiPhone 6sにセットすると、BさんのiPhone 6sの電話番号が090-1111-1111になるのです。
機種はそのままなのに、番号だけがSIMカードと共に移動するのです。
SIMカードの交換
そのままBさんのiPhone 6sから誰かに発信すれば、相手の画面には「090-1111-1111」と発信者番号が表示されます。
反対に、誰かが090-1111-1111に電話をかけたとしたら、それはBさんのiPhone 6sに着信します。

そして、SIMカードを抜き取ったAさんのiPhone 4sは番号も電波もない状態、つまり「圏外」となります。
解約後の携帯電話と同じようなものですね。

料金の請求はどっちに行く?

そのiPhone 6sで発生した料金は090-1111-1111のSIMカードの契約者であるAさんに課金されます
だから自分のSIMカードを人に貸したりすると危険です。気を付けましょう。

SIMカードに番号や契約者情報が記録されている

これまでの解説で、SIMカードには番号や契約者情報が記録されていることが理解できましたでしょうか?

つまり、ドコモやau、ソフトバンクのようなキャリア会社(携帯回線事業者)はお客一人一人がどの機種を使っているかは関係なく、発行したSIMカードごとに通話料金や通信料金を測定・課金しているのです。

「携帯電話の契約」というのは「SIMカードをレンタルするための契約」と言い換えることができるというのはSIMカードの役割のページでもしましたね。

しかし現実には、日本では上記のようにSIMカードを移し替えるだけで番号の移行をすることができないケースが多いのです。
それはなぜなのかを以下から解説していきます。

SIMカードを差し替えても使えない理由

これまでの説明通り、本来ならばSIMカードを別の端末(機種)に移し替えればそのまま番号も移行されるのが原則です。

しかし日本の場合、各キャリア会社(ドコモやau、ソフトバンクなど)が「SIMロック」というものを携帯電話本体にかけているため、他のキャリア会社のSIMカードを挿しても使えないのです。

悪の組織の必殺技「SIMロック」とは?

SIMロックとは、そのキャリア会社のSIMカードしか使えなくするために携帯電話本体にかけるロックのことを言います。
私たち格安戦隊が大手キャリアのことを「悪の組織」と呼ぶ理由の一つでもあります。

SIMロックがかかっている携帯電話本体に他のキャリア会社のSIMカードを挿しても、電波を掴むことができず「圏外」となります。
同じキャリア会社のSIMカードなら問題なく挿し替えて番号を移行させることができます。(auだけは例外。後述します)

SIMロックは他のキャリア会社に移行されないようにするための仕組みであり、携帯電話業界の悪習と言っても良いでしょう。
まさに悪の組織ならではの仕組みです。ユーザーにとっては何もメリットがありません。

auのSIMロックについて

auのSIMロックは「レベル2 SIMロック(L2ロック)」といい、上記のような通常のSIMロックよりも厳しい制限がかけられています。

レベル2 SIMロックでは、挿し込まれたSIMカードのIDをその携帯電話本体に記録し、それ以外のSIMカードを使用することができなくなります。
つまり、同じau同士のSIMカードでさえも挿し替えて使用することができないのです。
このロックを解除するためにはauショップに携帯電話本体を持ち込んで手数料を払う必要があります。

SIMフリーとは?

これまでに解説したようなSIMロックがかけられていない携帯電話本体のことを「SIMフリー」の機種と呼びます。
SIMフリーの携帯電話本体では、ドコモだろうがauだろうがソフトバンクだろうが、どのキャリア会社のSIMカードでも挿し込んで使うことができます。

補足:携帯電話本体が各キャリア会社の電波の周波数に対応している必要がありますが、SIMフリーの機種は様々なキャリア会社のSIMカードで使われることを想定しているため対応周波数が多く、だいたい使えます。

これから携帯電話を購入する際はSIMロックがかかっているかどうかも気にして選ぶようにするといいですね。
もちろんSIMフリー機のほうが良いことは言うまでもありません。